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本サイト館主の全編書き下ろし
アジア10カ国の戦跡旅行記。戦跡データ&地図、年表、戦争史、写真などの詳細データを付記した、アジア近・現代戦史の手引き書。A5版388頁、2500円
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資料室をご利用の方へ
ここは、戦跡情報館の図書室です。アジアの戦跡を“訪ねる旅”“考える旅”の、お供におすすめの書籍150冊を紹介します。ライブラリーは、以下の5つのテーマに、分類してあります。
(1) 戦跡研究
(2) 旅行ガイド本
(3) 写真集
(4) 取材記や回想録
(1) 戦争と平和論
(2) 日本の戦争責任・日本の歴史観
   
   
(1) 記憶そのものを扱う研究書
   
   
   
(1) メディア研究
(2) プロパガンダ研究
(3) アジア関係のメディア研究書
   
 
(1) アジア全般
(2) その他
   
   
 
 

分類方法と本の選択
紹介する書籍の分類方法は、館主の体験にもとづいた個人的なものです。書籍の選択は、日本語になっており、現在入手しやすいものを優先させてあります。この図書室では、テーマの広がりをおおまかに把握することを、最も重要視しています。毎月、多くの新刊本がでており、同じ著者でも時代によって内容は変わります。

文献検索には、インターネット上のさまざまなサーチエンジンやホームページを併用してください。新刊本なら「アマゾン」、古本だったら「日本の古本屋」、アジアと戦跡訪問に関連する書籍だったら、「メコン社」や「梨の木舎」の自社サイトなどもおすすめです。

ここには、戦跡のある場所に直結する情報や、戦跡の見方を提供する書籍を集めてみました。

(1)戦跡研究−戦跡の研究書や事典
日本で、アジアの戦跡に関わる聞き取り調査や研究をしている専門家や作家は、またあまり多くありません。中心となっておられるのは、作家の早乙女勝元氏、教科書訴訟の原告でもある高嶋伸欣氏(琉球大学)、戦争遺跡保存ネットワーク会長の十菱駿武氏(山梨学院大学)、戦後補償などに取り組む内海愛子氏(恵泉女学園大学)、虐待の心理研究などを続ける野田正彰氏(関西学院大学)、日本の戦争責任資料センター幹事の林博史氏(関東学院大学)などです。これらの方々については、ネットサーチによる情報入手も容易ですので、ご覧ください。

(2)旅行ガイド
アジアの戦跡を実際に訪れるための、日本語のまとまった旅行ガイド本はまだありません。自力で訪問する場合は、現地に行ってからが勝負となります。博物館が閉館や移転…、戦跡は都市整備によって場所すらわからないこともあります。

都市なら、現地の主だった記念館や博物館で、その地の戦跡に関する英文パンフレットを入手し、地元の書店へ詳細な地図を買いに走ります。時間と交通手段が確保できれば、訪問地にたどり着けます。地方の場合は、言葉や治安の問題もあるので、現地のガイドさんを個人的に確保すべき場合もあります。

個人旅行のノウハウや、その国の旅全般に関する情報については、既存の旅行ガイドで役にたつものがたくさんあります。

(3)写真集−取材者による戦場と戦後の写真集
戦争に関連する写真集は多数あります。日本語で出版されている写真集は、大きくふたつに分類できます。

ひとつは、戦闘の場に立ち会い記録をとる手法の、戦場フォトグラファーたちの作品集です。前線の兵士や、戦禍に逃げまどう庶民、兵器や戦闘シーンなどで構成される写真集です。今日の日本でいえば、写真・ビデオ・文章、語りなどあらゆる手段を駆使して、紛争の続く世界各地からのレポートを続けている、アジアプレス・インターナショナル(野中章弘代表)の仕事ぶりが活発です。世界最高峰といわれる写真家集団「マグナム」のメンバーたちの作品集なども、写真の力を考える上で重要です。写真の撮られた場所や、写っている人をたぐり寄せれば、戦跡に行き着きます。

もうひとつは、戦闘が終わった後をじっくりと辿りつつ、戦争が人びと・大地・自然にもたらしたものをおさめた作品群です。戦争を抱えて生きる人びとの生活空間や表情は、戦争によって人影を失った大地と同様に、戦跡の一部を構成する貴重な記録である、と捉えることができます。

ここでは、日本語で読めるアジア関係の写真集をほんの数点、紹介します。この他にも、ご紹介したい作品集は多いのですが、後日に譲ります。

(4)取材記や回想録−戦場体験者の回想録、取材者の戦場記録
戦争体験者の回想録は、市販されているもの、自費出版で書籍となったものをあわせれば、相当数の書籍があります。書き手は、元軍幹部、元兵士、元通訳、元住民、遺族などさまざまで、書き手のおかれた立場と体験によって、戦争肯定、戦争是認、戦争反対、といった色合いがでてくることが多いようです。

いずれも、出版年が数十年前で絶版になっていたり、発行部数が少ないものが多いので、公立の図書館を利用するのが便利です。「太平洋戦争」「戦記」といったキーワードで検索すれば、その図書館で関連書籍の収納してある書棚がわかるので、そこへいって書棚の本を端から順に手にとってみるのが、いちばん簡単な方法です。

取材者による記録とは、新聞記者や従軍記者の手によるもののことです。観察・記録・伝達、といった作業を仕事としている人びとが、当時、記者としては書けなかったことについて、後に書き綴ったもののなかに、戦跡のもつ深い意味が描かれていることも少なくありません。書けなかったこと、すなわち、記者としては、現場で自分の意見は書けなかったこと、あるいは、戦時体制の中ではニュースとしても書けなかったこと、などです。

戦争をテーマとする書籍は、戦史、戦略や軍事、外交なども含め、実に幅広いものがあります。ここでは、戦跡というキーワードに直結する、以下の2項目に限定してみました。

ひとつは、戦争と平和についての考え方を扱った書籍(2-1)です。聖戦、正戦、反戦、といった言葉の意味や、テロ時代における武器や武力の使用に関する多角的な議論を知っておくと、戦跡をたどる旅で気づくことが多くなります。

もうひとつは、日本の戦争責任に関する書籍と、戦争責任の捉え方によって見方も変わってくる日本の歴史観に関する書籍(2-2)です。アジア諸国と日本は、戦争というキーワードでもつながっています。そのことに、日本より、アジア諸国のほうが敏感です。

日本国内では、日本はアジアに侵略した、戦後補償も不十分だ、というスタンスからみた歴史観と、日本はアジアのために欧米と戦ったのだというスタンスからみた歴史観が、1980年代前半から分かれて表面化しています。そのことが、日本の中では歴史論争となり、日本とアジアの間では、政治的な外交摩擦を起こしています。

日本の場合、高校までの歴史は暗記が主流です。そのために、歴史とは事実の積み重ねだと誤解されることが多いですが、実際には語る人の立場によって変わる解釈の部分も大きいものです。

例えば、Aさんの一日(24時間)をビデオに撮り、それを10人に見せて、事実の記録を「Aさんの一日」という題で400字にまとめてもらうとしましょう。10通りの一日が生まれます。歴史は、誰がどのような価値観(誰の視線)で、出来事を取捨選択して綴ったかによって、たとえすべて事実だとしても、それぞれに異なった物語となります。ここに、事実が必ずしも真実とはならない理由があります。文字化する、字数を限定する、こういった編集作業は、人間の主観や価値観によって行われものだからです。

書かれた内容が事実かどうかの検証も重要です。それと同時に、なぜそれを取捨選択したのか、その語り手側の理由を理解することも、とても重要です。

ここでは、「記憶」に関する専門研究書、特に記憶の政治学や、記憶の社会学に関する主な書籍をいくつか紹介します。

記憶には、個人的な体験によるものの他に、外交や政治の都合で語られる国家の記憶があります。博物館や記念館は、事実を綴った記録を集めている場合もあり、それとは逆に、誰かの意思によって、誰かがお金を出して作った、作り手の意思を反映した新しい物語の空間である場合もあります。ここには、「歴史」と同じような特質があります。

記憶の研究は、今日、さまざまな分野でとりくまれつつあります。戦跡、特に、記念碑や記念館は、過去の出来事を、誰かが何かの目的をもって形にとどめている「場所」「もの」「空間」です。狭い意味での戦跡(紛争の痕跡)にも、それをそのまま保存しようとする意思、残したくないという意思、人為が全く働かずに放置、の3種類があります。個々の戦跡のもつ意味を理解するうえで、「記憶」の特質に配慮することは、とても重要です。

戦跡を訪れると、戦跡スポットを説明する小さなプレートから、本格的な記念館にいたるまで、実に多くの写真が展示されています。博物館や記念館には、当時の現地の新聞なども時折展示されており、歴史の記憶の語り部として、マス・メディアが利用されることは少なくなりません。

しかし、戦時は、平時の報道ルールとは異なる特殊な報道環境にあります。その特殊性を無視して、平時の展示箱の中に戦時のマスメディアを並べた場合、展示の仕方によっては、戦時の特殊言論空間を事実として再現してしまいかねない危うさがあります。

戦跡を理解するうえで、戦時マス・メディアの特性を理解しておくことも、「歴史」や「記憶」の特性に配慮するのと同様に、非常に重要です。

ここでは、メディアの特性については(4-1:メディア研究)、武器としてのマス・メディアについては(4-2:プロパガンダ研究)、アジア関係のメディア研究書については(4-3:アジアのメディア研究書)におおまかに分類して、紹介しています。領域がまたがるものが多いので、この分類は便宜上の分類です。

ここでは、アジア全般(5-1)として、アジア関係の歴史・社会・文化などの全般と、ライブラリー分類の狙いとはかみ合わないが、アジアの戦跡を知るうえで必要と思われるその他の書籍(5-2)、に分類しました。

アジア関連書籍は、アジアそれぞれの国に関する専門書と、気候や食べもといったテーマ別にアジアを横断するものに大別され、その企画も書籍数も、膨大な数があります。アジアの専門家も多数おられます。ここではほとんど扱っていませんので、他の文献サーチエンジンの併用をお勧めします。

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