戦争をテーマとする書籍は、戦史、戦略や軍事、外交なども含め、実に幅広いものがあります。ここでは、戦跡というキーワードに直結する、以下の2項目に限定してみました。
ひとつは、戦争と平和についての考え方を扱った書籍(2-1)です。聖戦、正戦、反戦、といった言葉の意味や、テロ時代における武器や武力の使用に関する多角的な議論を知っておくと、戦跡をたどる旅で気づくことが多くなります。
もうひとつは、日本の戦争責任に関する書籍と、戦争責任の捉え方によって見方も変わってくる日本の歴史観に関する書籍(2-2)です。アジア諸国と日本は、戦争というキーワードでもつながっています。そのことに、日本より、アジア諸国のほうが敏感です。
日本国内では、日本はアジアに侵略した、戦後補償も不十分だ、というスタンスからみた歴史観と、日本はアジアのために欧米と戦ったのだというスタンスからみた歴史観が、1980年代前半から分かれて表面化しています。そのことが、日本の中では歴史論争となり、日本とアジアの間では、政治的な外交摩擦を起こしています。
日本の場合、高校までの歴史は暗記が主流です。そのために、歴史とは事実の積み重ねだと誤解されることが多いですが、実際には語る人の立場によって変わる解釈の部分も大きいものです。
例えば、Aさんの一日(24時間)をビデオに撮り、それを10人に見せて、事実の記録を「Aさんの一日」という題で400字にまとめてもらうとしましょう。10通りの一日が生まれます。歴史は、誰がどのような価値観(誰の視線)で、出来事を取捨選択して綴ったかによって、たとえすべて事実だとしても、それぞれに異なった物語となります。ここに、事実が必ずしも真実とはならない理由があります。文字化する、字数を限定する、こういった編集作業は、人間の主観や価値観によって行われものだからです。
書かれた内容が事実かどうかの検証も重要です。それと同時に、なぜそれを取捨選択したのか、その語り手側の理由を理解することも、とても重要です。 |